高石ともやさんのお別れ会:音楽とともに綴る深い絆
2023年11月13日、京都・円山公園野外音楽堂で行われたフォーク歌手高石ともやさんのお別れ会には、長年の友人であり音楽仲間である南こうせつさんや杉田二郎さんをはじめ、多くの人々が集まりました。今年8月に82歳で亡くなった高石さんへの最後の別れの場として、音楽とともに彼の生涯と業績を讃える温かなひとときとなりました。
音楽を通じた深い絆
このお別れ会には、さまざまな思いが込められたシーンが数多くありました。南こうせつさんは、偶然その日のお別れ会を知り、「少しでもともやんにお別れを伝えなきゃ」と登場。高石さんと深い関係を築いてきた南こうせつさんは、その言葉の通り、彼への感謝の気持ちを歌とともに伝えました。
続いて登場した杉田二郎さんは、高石さんとの長い付き合いを振り返りながら、心温まるエピソードを語り、「お互いに長い付き合いだったね」と感慨深げに顔を見合わせました。杉田さんは、コロナ禍で「親しい人にも会えなかった」という経験を語り、「今はこうしてすぐに会えるだけで愛なんだね」と、日常の大切さを訴えました。その後、彼の代表曲「風」を歌い終えた後には、「ともやさん、ありがとうね!」と感謝の気持ちを込めてステージを後にしました。
高石ともやさんとの思い出と音楽の力
さらに、高石さんと深い関係を持ち、「受験生ブルース」の作詞を手掛けた中川五郎さんが登場。中川さんは、高石さんがまだ高校生だった自分にステージで歌うチャンスをくれたことを振り返り、その「受験生ブルース」を歌い上げました。彼にとっても、高石さんは大きな影響を与えた人物であり、音楽を通じたつながりがどれほど深いものであったかが伝わってきました。
高石さんにとって、円山公園野外音楽堂は特別な場所でした。1973年に「高石ともやとザ・ナターシャーセブン」として始めた「宵々山コンサート」は、毎年夏の恒例行事となり、「京都の夏の風物詩」として市民に親しまれました。コンサートには永六輔さんや桂米朝さん、道上洋三アナウンサー、有森裕子さんといった多彩なゲストが出演し、歌とトークで会場を盛り上げました。2011年に中断はあったものの、このコンサートは高石さんのライフワークとして、多くのファンに愛され続けました。
高石ともやさんの人生
高石ともやさんは、1941年に北海道で生まれ、立教大学在学中に「受験生ブルース」でデビュー。その後、ナターシャーセブンと共にアメリカ民謡やオリジナル曲を歌いながらコンサート活動を展開しました。音楽活動だけでなく、健康への情熱も注ぎ、77歳でホノルルマラソンに初参加し、78歳まで連続43回出場したというエピソードもあります。また、ウルトラマラソンやトライアスロンにも多数出場し、音楽とスポーツの両立を見せてくれました。
最後の別れ、そして新たな始まり
高石ともやさんのお別れ会は、彼の人生の多面性を感じさせる素晴らしい時間となりました。音楽を愛し、仲間たちとの絆を大切にし、どこまでも前向きで力強い姿勢を貫いた高石さん。会場には彼を愛する多くの人々が集まり、感謝と別れの気持ちを共有しました。
高石さんの音楽は、今後も多くの人々の心に残り続け、彼が築いた絆はさらに深まっていくことでしょう。高石ともやさん、ありがとうございました。そして、どうか安らかにお眠りください。