ドキュメント72時間「のぞき坂 東京の急な坂道で」
放送情報
放送日時: 2025年5月23日(金) 22:00-22:30
放送局: NHK総合1・東京
語り: 鈴木杏
番組紹介
見上げると、まるで壁のように見える東京屈指の急坂「のぞき坂」。その名は「のぞき込まないと下が見えない」ほど急であることから付けられました。今回の『ドキュメント72時間』は、東京都豊島区高田にあるこの特異な坂道を舞台に、新生活が始まる春の3日間を記録します。
のぞき坂とは
豊島区高田2丁目に位置する「のぞき坂」は、東京都内でも最も急な坂道の一つとして知られています。その勾配は最大22.3%(約13度)にも達し、坂の上から見下ろすと断崖絶壁のように見えるため「のぞき坂」と呼ばれるようになりました。別名「胸突き坂」とも呼ばれ、都内の二車線道路としては最も急な勾配を誇ります。
この坂は比較的新しく、大正10年(1921年)の地形図で初めて登場しました。大正時代にこの地域が急速に発展した際に切り開かれたと考えられています。
坂の特徴と周辺環境
のぞき坂は東京メトロ副都心線「雑司が谷駅」から徒歩3分ほどの場所にあり、都電荒川線の学習院下停留場と鬼子母神前停留場の間に位置しています。目白通りから南に一気に15メートルほど下る急坂で、歩道が車道とは分離された構造になっており、途中には数段の段差や休憩スペースが設けられています。
坂の上からは新宿の高層ビル群や代々木のドコモタワーなど、東京の街並みを一望できる絶景ポイントでもあります。春には桜が咲き誇り、都市風景と自然が調和した美しい景観を楽しむことができます。
坂を行き交う人々
この急坂は単なる観光スポットではなく、地元の人々にとっては日常的な生活道路です。朝には通勤・通学で坂を上り、夕方には下りてくる人々の姿が見られます。番組では、終電まで働いていたという人、ここが通学路だという子ども、トレーニングのために坂を利用する人など、様々な人々の姿を捉えています。
アニメの聖地としての側面
のぞき坂は、新海誠監督の映画『天気の子』や『冴えない彼女の育てかた』などのアニメ作品にも登場し、「聖地巡礼」の場所としても知られています。特に『天気の子』では、陽菜の不思議な力で天気が一気に晴れに変わっていくシーンの舞台となりました。このため、カメラを持ったアニメファンが訪れる姿も多く見られます。
今回の番組の見どころ
新生活が始まる4月、桜舞う「のぞき坂」を72時間にわたって定点観測。この一本の坂道を行き交う人々の日常と、そこに秘められた物語を丁寧に描き出します。急坂を上り下りする人々の表情や会話から、都市に生きる人々の喜びや苦労、そして人生の一コマが浮かび上がってくることでしょう。
坂道という日常の風景の中に、私たちの知らなかった人生ドラマが詰まっています。のぞき坂を通じて見える東京の春の始まりと、そこに集う人々の3日間の物語をお楽しみください。
アクセス情報・行き方
「のぞき坂」へは、東京メトロ副都心線「雑司が谷駅」3番出口から出て目白通りを横断すると、そこが坂の上になります。また、都電荒川線「学習院下停留場」や「鬼子母神前停留場」からも近く、アクセスは比較的容易です。ただし、非常に急な坂のため、特に雨の日や雪の日には注意が必要です。