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「君」ってなに?チコちゃんに叱られる!

「君」ってなに?

 

 

チコちゃんの答え:吉田松陰が立場を超えてコミュニケーションをとれるようにしたことば

 

「君」という呼び方が、なぜ現代にまで広まり、使われるようになったのか、その意外なルーツを探ってみましょう。


 

「君」という言葉の誕生秘話と普及の背景

 

「君」という呼び方は、幕末の教育者である吉田松陰が、自身の開いた私塾「松下村塾」で考案し、定着させた言葉であるとされています。

【松下村塾と身分制度】 松下村塾は、長州藩(現在の山口県萩市)に開かれた塾で、身分の区別なく様々な家柄の若者を受け入れていました。高杉晋作や久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋など、明治維新を牽引する多くの逸材を輩出したことで知られています。 しかし、当時の日本は厳格な身分制度社会。塾生たちは武士階級の中でも家柄に差があり、身分の高い者には「様」、同じか下の者には「殿」といった呼び方をするのが一般的でした。この慣習が、塾生同士が対等な立場で意見を交わす「討論」において、大きな障害となっていたのです。身分が上の相手には遠慮して意見を言いにくかったり、議論が活発に行われなかったりする状況がありました。

【吉田松陰の革新的な試み】 そこで吉田松陰は、身分や家柄に関係なく、塾生全員が対等に議論できるように、新しい呼び方として「君(くん)」を考案しました。この「君」は、相手への敬意を示しつつも、上下関係にとらわれずにフラットなコミュニケーションを可能にする画期的な言葉だったのです。また、自分が相手を「君」と呼ぶだけでなく、自分自身を「僕(ぼく)」と呼ぶ習慣も、松下村塾で定着したと言われています。

【明治時代以降の「君」の広がり】 明治時代に入り、身分制度が撤廃され、全国に学校が設立されるようになると、「君」という呼び方も次第に普及していきました。特に、明治36年(1903年)に発行された国語の教科書「尋常小学読本」に「君」が登場したことで、一般の人々にも広く知られるきっかけとなりました。 また、文学作品にも「君」は登場します。夏目漱石の代表作「坊っちゃん」では、登場人物が友達を「君」付けで呼ぶシーンがあり、当時の一般的な呼び方であったことが伺えます。

【国会での「君」】 意外な場所で「君」が定着したのが「国会」です。国会では、議事進行のために参議院先例録という規則に基づいて、議員同士が「君」付けで呼び合う慣例があります。これは、身分や立場を超えて対等に議論するという吉田松陰の理念が、形を変えて現代に受け継がれているようにも見えます。

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