渋谷スクランブル交差点すぐそば、紙を求めて立ち止まる“最後の新聞スタンド”に寄り添う72時間
2025年8月1日(金)、NHK「ドキュメント72時間」が注目するのは、渋谷駅前スクランブル交差点近くにひっそりと残る、名もなき新聞スタンドだ。「RELX VAPE & NEWS STAND」という店名を冠するこの場所が、都会の喧騒の中でどんな物語を紡ぐのか、その72時間にカメラが静かに寄り添う。
このあと夜10:00#ドキュメント72時間
— ドキュメント72時間 (@nhk_72HR) 2025年8月1日
渋谷駅前🗿🐕“最後”の新聞スタンド📰
新しいビルがどんどん建つ渋谷駅前で、そこだけ時間が止まっているかのような不思議な場所が舞台です。
▼配信でも見られます👇https://t.co/xtV1LcIoDz
▲語りは #鈴木杏 さん💗
🗞️ 「RELX VAPE & NEWS STAND」という不思議な名前の店
ここは電子タバコブランドRELXの名を含むが、実際には新聞や雑誌が主役。電子とアナログの文化が、入り口一つで同居する不思議な空気がある。かつては道玄坂の東急東横店南館にあったが、再開発に伴って移転を重ね、現在はスクランブル交差点近く、渋谷マークシティへのエスカレーター前に構えている。
店の基本スペック
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店名:RELX VAPE & NEWS STAND
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所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目4‑4
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営業時間:おおよそ10:00〜22:00、定休日なし
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アクセス:JR渋谷駅ハチ公口から徒歩約3分、東京メトロ・東急東横線A5b出口すぐ
渋谷の再開発に翻弄されながらも、場所を変えて細々と存在し続ける“最後の1軒”として、地元ブログやSNSでも注目を集めている。
なぜ、忙しい人々がこの場所で紙を手に取るのか?
カメラは72時間、通り過ぎる人びとをじっと見つめる。そこに現れるのは、通勤前の会社員、タクシー待ちの運転手、ちらりと足を止める旅行客、そして若い世代も含めた雑誌を手に取る人物たち。
彼らが口にするのは「電子版より紙のほうが読みやすい」「ページをめくる音や香りが好きだ」という言葉。「見出しを一望できるレイアウト感」「インクの匂い」「ページを指で開く感触」が、スマホにはない体験価値を生んでいると言える。
さらに、紙媒体ならではの“静かな集中の時間”がこの場所には流れている。通知音に邪魔されない、情報との静かな対話の場として機能しているのだ。
渋谷駅前の新聞スタンド文化、その終わりの風景
かつて渋谷駅前には、新聞や雑誌を売るスタンドが数店あったという記憶を持つ人も多い。だが、再開発とコンビニの拡大、デジタル化の波に飲まれ、姿を消す。今ではこのスタンドだけが、“駅売り文化”の名残として残っている。
現代の渋谷において、「紙を売る店」は希少だ。それゆえに、この小さなスタンドは「最後の証人」として、都市の変化を映し出す鏡にもなっている。
訪れる価値――「立ち止まる」時間の意味を考える
スクランブル交差点からほんの数分の距離にあるこの店。スマホを閉じて、紙を広げる時間を持ってみるだけで、いつもの景色が少しだけ違って見えるかもしれない。
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一枚の新聞が、その日のニュースの「地図」として目に飛び込む感覚
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線引きされた記事、写真のレイアウト、広告のカラーバランス
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ページ毎にインクの香りが静かに感じられる体験
それは、ただ情報を得る手段を超えた、ちょっとした「非日常」になる。ページをめくる音と指先に残るわずかなインク――それらはデジタルでは得られない、五感に訴える体験だ。
✨ 終わりに
渋谷駅前に残る「RELX VAPE & NEWS STAND」は、見かけは小さくても、都市の変わりゆく風景の中にあって「紙の文化」を象徴する貴重な存在だ。
NHK「ドキュメント72時間」は、その72時間を通して、紙を求めて立ち止まる人々、そして喧騒の中でも変わらずそこに息づく“紙の新聞”の価値を描き出す。
渋谷を訪れるなら、スマホを一旦置いて、立ち寄ってみてほしい。そこには、スワイプでは味わえない“立ち止まる価値”と小さな発見が待っている。